2012年5月31日木曜日

あの日の記憶

あの日の記憶

病院にいた時、いきなり窓ガラスが割れそうな勢いで、
ぐらぐらとゆれ出し、ガシャーン。床にもひびが入るんじゃないかと。
みな顔は青ざめ、悪い乗り物酔いをしたかのよう。
そして、お金も払わず、そのまま帰宅となった。
外に出てみて、まだ現実に気づいてなかった私は、近くの大型スーパーに行って物を買おうとしていた。ところが見ると中が真っ暗。こちらに向かってきた誰かに「品物が倒れて、もう閉店している」といわれて、仕方なく、とぼとぼ道を歩いていった。
すべての信号機が止まっていて、それでも車は動いていた。
その間も余震が来たりして、途中で見かけた人に、
非難しなくても大丈夫なのか、思わず聞いていた。
道は水道管が破裂し、洪水状態。両隣の人が玄関に立っていた。
非難せずに大丈夫なことだけ確認して、近くの個人商店の八百屋に向かい、
バナナとみかんだけ買った。こういうときにスーパーはまったく役に立たない。
そうこうしている内に薄暗くなってきて、小さなリュックに水と携帯とお金を入れ、懐中電灯とラジオを側に置いて、布団に横たわっていた。その間も余震は続いていた。
ガスは使えたので、暖かいものを食べることもできたが、真っ暗な中で、何もする気になれず、横たわってラジオを聴いて、時折、買ってきた果物をかじっていた。
11時頃、ようやく電気が入り、温かいお茶を飲んだ。
同時にテレビをつけると、気仙沼の全域が火の海になっているのを見て、これは尋常ではないと悟った。
西から東に行く電車はすべて豊橋でストップ。多くの人が足止めを食っていた。
2日後、電車が通常運行になって間もなかった。本来なら午後に出かける予定だったが、午前に駅へ向かった。その間にも余震が起こり、ほかの路線は大いにダイヤが乱れ始めていた。ゆっくりする間もなく、あわてて電車に飛び乗り、それきり。

「停電もない、食べたいものは何でも手に入る生活」

ガソリンスタンドは数珠つなぎ、水、納豆、牛乳、豆腐、食パン、インスタント食品がなくなったスーパーなんて、おとぎ話にしか聞こえなかった。13日以来、外出から帰ってきた際は、外套を外で払い、窓を一切開けないというから、驚きだ。

その間、入ってくる国内の情報は、「今すぐ危険というわけではない」の一点張り。
まったく当てにせず、毎日毎日、海外からの情報ばかりを見て、風向きとにらめっこしていた。

8月、ようやく戻ると、部屋には割れたプラスチックがそのまま残っていて、
一瞬、あの日にもどったような気持ちにさせられた。
今年の2月に、病院で払えなかったお金を払い、ようやく収拾がついた感じがして、すがすがしい気持ちだった。

でも、そうではなかった。


3月のある日、図書館で、「関東大震災コーナー」を見つけた時だった。
ギクッとして、とても目を向けられない気がした。
そう、たぶん「停電もない、食べたいものは何でも手に入る生活」を送っていた人たちにとって、「関東大震災コーナー」は所詮、実感のわかない客観視できるものなのだろう。
だけど、あの日を体験した人にとってはそうではない。人間の記憶がいやなことを忘れ去ろうとするように、なるべく目をそむけたくなるようなことなのかもしれない。

たぶん、今でもそこにいる人たちにとっては、現実への非直視と不安の混じったような生活なのではないかと思う。現実を直視し始めたら、今自分がいる場所、食べているものすべてが、不安材料だ。だから不安だけれども、気にしないようにしている、というのが今の姿だと思う。

よく行く場所の線量を図ってもらい、安堵したのを覚えている。
たいして精密度はなくても、とにかく分かれば人心地付くのである。
できれば日本全国の農作物や水産物に、線量値シールが付いていると良いのにと思うくらいである。そうすれば地域に拘わらず、本当に安全なものであることが確認できるからである。


除染は根気のいる作業だけれど、なるべく効率よく進むことを願う。
文化事業での電子書籍はすでにあるみたいだ。

日本全国どこでも、「不安だけど気にしない」から「安全だから気にしない」に変わることを祈るのみである。

2012年5月24日木曜日

Moodle 発見

2年も前、WebOCM?状態だったのにも関わらす、
性懲りもなく、UNIPAで小テスト!→ライセンス契約してません→意気消沈
で、探しまくったら、みっけ!
http://yumemo.chem.kindai.ac.jp/y12/
やっぱり、利用してるところはあるのだ。

いつも思うこと、なんでばらばら???
いまや、見ることもなくなったCampusEOSも
理工だけ(!)課題提示ができてたっけ。

でも、嬉しいことも!全学ファイルようやく部屋につなげました。(遅すぎ;)


2012年5月22日火曜日

ICT活用あれこれ

6年も前の記事です。検索してたら引っかかった。

ため息出ました。自分の無知さに...「LMSとCMSの違いも分からなかった」
導入が遅いのは理解できるけど、実践としてはどうだろう。電子黒板の導入はおそらく世界一と思われるイギリス、東京BCでは電子黒板を使ってたのが、印象的でした。教育機関でなぜ広まらないかってのは、それ以外の理由があるかいなってくらい、中嶋航一さんが分かりやすくおっしゃってたので、納得なのですが、とにかく、ため息です。

http://d.hatena.ne.jp/hiro_inoue/20060110/1136879931
北米ヨーロッパの大学では1990年代後半から2000年初頭にかけて、BlackboardやWebCTなど商用のコースマネジメントシステムが急速に普及しました。これは価格がそれほど高額でなかったことと、各教育機関で開発するよりも低コストでの導入が実現できたためだと考えられます。今や北米EU諸国、オーストラリアニュージーランドなどの教育機関におけるコースマネジメントシステムの導入率は、初中等教育機関も含めほぼ100%に達し、全科目で利用される割合も50%近くに達しています。大学の授業にはフィールドワークや実習などもありますので、座学でのほとんどの授業で利用されていることになります。小学校や中学校でも利用されていて、彼我の差はどうしてこうも大きいのだろうと嘆息してしまいます。日本は技術的にもインターネットの普及率的にも上を行ってるんですけどね。教育機関の取り組みが遅いだけなんでしょうか。それとも、人材育成や教育への取り組む姿勢の違いでしょうか。その辺りを明らかにして、いい方向にシフトできるようにしたいですね。

Sakaiプロジェクトは正確にはオープンソースではなく、コミュニティソースと呼ばれ、Sakaiプロジェクトの会員になった教育機関に対してはサポートを提供しましょう、というもので興味深い取り組みです。ちなみに、Sakaiプロジェクトの「Sakai」は、料理の鉄人に出てくる、レストラン「ロシェル」の坂井シェフにちなんだものです。ミシガン大学では以前から学内でコースマネジメントシステムを開発していました。そのシステムの名称が「CHEF(シェフ、と読む)」だったので、シェフの次に来るものということで「Sakai」と名付けられました。
Sakaiプロジェクトは2006年1月現在バージョン2.1ですが、今後も進化が期待されます。ただし、技術的にはJava Server FacesやSpring, Hibernateなど最先端のサーバサイドのJavaテクノロジーを採用しており、専任の技術者を抱えていない教育機関には運用が難しいのではないかと思われます。そこで、私たちが注目しているのがMoodleなのです。PHPMySQLならなんとか手に負える場合もあると思いますので。

順次ほかのオープンソースCMSも紹介していきたいと思います。

それから、日本ではLMS(ラーニングマネジメントシステム)と呼ぶ人が多いのですが、アメリカだとLMSは企業向けのソフトウェアで人事管理システムと連動しているSavaやDocentなどを指すようです。CMS(コースマネジメントシステム)はそれに対して、教員が学習や指導に関わることを想定して開発されていて、標準で搭載されているツール(モジュールと呼ばれることが多い)が異なります。たとえば、LMSにはコンピテンシーマネジメント関連のツールやAPIが付属しています。これは従業員のスキルをアセスメント(診断)して、弱点をeラーニングで学ばせる、という学習プロセスを想定しているためでしょう。教育機関では今のところ、コンピテンシーマネジメント的な発想を取り入れているところは少ないのですが、ちらほらそうした仕組みを取り入れて、教育の成果保証をしよう、なんて話も聞きます。ただ、かなり大掛かりな仕組みなので開発にはかなりコストがかかるでしょう。そこまでの投資をして取り組む大学が出てくると面白いですね。