2013年12月18日水曜日

ジャーナル電子化

便利になった方がいい。 だけど、古典をやってる人間としては、一抹の悲しさもある。 理系は日進月歩かしれないが、古典は古いものだからこそ、より価値がある。 今は便利でも、そのシステムが移行したり、何か間違いが起きた時は? データが全部消えるなんてことがあれば、不安。 そもそもアメリカで電子化が流行るのには、あの紙の粗雑さにもあるんじゃないの。 結構な内容の本でも、5年も経てば紙がすぐくたびれる。 日本での紙を馬鹿にするなかれ。 保存性だってあるのだ。 東洋の古典で散逸したものが、日本には多く残っている。 それに紙は時代を表す。 バブル時代の紙なんて、本当、しっかりしてるものが多い。 今はむしろ薄くてペラペラ。 明らかにバブルの頃の紙のほうが贅沢な作りをしているような。 200年位経ったら、その真価が現れるに違いない。 その頃、電子化したジャーナルなんて本当に残っているのだろうか。

2013年12月16日月曜日

伊勢うどん(元祖ファーストフード?)

鶴橋駅の「うどん・そば」で伊勢うどんがあることを発見。「ゆでる時間が長いんです」といわれたけど、出てきてからは、すごい勢いで食べて、あっという間に完食。だっておつゆが少ないから、絡めて「スルスル~」と胃袋に流されます。 最近、これが便利だと再発見して、地元の「たれ」を購入。うどん玉はどこにでもあるものでOK。ゆでて、上にネギをハサミでチョキチョキ。このたれをそのまま上から適当にぶっかけて終わり。 本場物は専ら「ちとせ」のしか食べた事しかないけど、日曜日に休みだったため(ここら辺がマイペース^^;)、「福野屋」の初めて食べたら、なかなかおいしかった。ちとせのより甘めのたれ、うどんは太くモチモチながらコシもあります。そして特徴は青海苔がトッピング。 地元の「たれ」はまだ大阪で見たことがないので、早く売ってくれないかな~♪

2013年11月21日木曜日

推薦書『女子と就活』中央新書ラクレ431

最近読んだおすすめ本です。 図書館にもあるので、ぜひ借りて読まれることをお薦めします。 その163ページに、「人事専門誌を読むと現実がわかる」とあります。 なるほど、そこには気づきませんでした。 『四季報』とかは知っていましたが、いろいろあるもんです。 女性だけでなく、男性が読んでもためになりそうです。 <写真:キャリアセンター無料配布の就職手帳>

2013年11月13日水曜日

「ふなっしー」

「지금 뭐가 유행하고 있어요?(今何が流行ってますか?)」 「...ふなっし~」 「なにそれ?」 「え、知らないんですか?(みんな顔を合わせる)それは、や・ば・い~」 と言われてしまいました。 http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=EyRgTBwQ_d8 ふむ、なるほど。声だけ聞いてると「さかなくん」がきぐるみ着てるみたい。

2013年10月28日月曜日

韓国の歌紹介

シャンプーの妖精ラジオから聞こえる心揺れる名曲です。
昔の歌でしょ、とばれてしまった!が、リメイク一杯だから今時です。でもオリジナルが一番!
KARA LUPINご存知今時。いや、もう古いか。

김범수「보고 싶다」 中国朝鮮族の韓国での違法就労、偽造結婚を扱ったMV잠깐만요!の叫び声

最後のコンサート韓国人で知らない人はいないくらい이승철の名曲です。

ナン・アラヨ(オリジナル版)韓国人で知らない人はいないくらいの서태지와 아이들の名曲です。子どもたちがこぞって真似しました。 画像鮮明版

MY LOVE(イスンチョルのプロポーズ)こんなすごいの見つけた!

2013年10月27日日曜日

大前研一『稼ぐ力』

http://yuji5327.blog.jp/archives/51963681.html 「大前研一著:稼ぐ力・・・仕事がなくなる時代の新しい働き方、小学館、2013年」の「あとがき・・・この国をダメにした「偏差値」を廃止せよ」には全く同感である。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。 1.日本製品が世界を席巻して「ジャパン・アズ・ナンバーワン」「日はまた昇る」と称賛されたのが嘘のような、今の日本の落ちぶれの理由は、日本に蔓延る偏差値教育である。そんな教育には目も向けずに活躍している日本人は多い。世界中の有名オーケストラで日本人の弦楽奏者がいないところはないし、スキーのジャンプでは高梨沙羅さんがワールドカップで日本人選手として初めて、しかも史上最年少の16歳4か月で個人総合優勝を達成した。アニメやゲームのクリエイター、建築家などにも、共通している。 2.彼らに共通しているのは、①文部科学省の指導要領に基づいて教育されていないこと、②インストラクターなど個別の教育・トレーニングを受けていることである。つまり、純粋に「個」の能力とアンビションを原動力に、目線を上げて世界と戦っている。戦後の偉大な日本人経営者たちもまた、文部省教育の埒外で誕生している。パナソニック創業者の松下幸之助さん、ソニー創業者の盛田昭夫さん、本川技研工業の本田宗一郎さん、三洋電機創業者の井植歳男さん、シャープ創業者の早川徳次さん、オムロン創業者の立石一真さん、ヤマハ発動機創業者の川上源一さんのうち、盛田さん以外は1人も大学を出ていない。(森田さんも学歴無用論を唱えていたが日本社会は受け入れなかった) 3.偏差値とは、入学試験で合格可能性を示す数値である。1960年代から受験業界で学力成績の指標として使用されるようになった。実際は、単なる学力の物差しではなく、「お国」の方針に沿ったもので、ベトナム反戦、第2次反安保闘争、学園民主化運動を警戒して、国にも、アメリカにも逆らわない従順な国民をつくるために導入された「システム」である。 4.偏差値によって、事前に効率よく学生を割り振って受験させることが可能になった。世界の先進国など、ほとんどの国には偏差値などなく、学生は自由に学校を選んで受験している。 5.日本で導入された偏差値は自分の「分際」「分限」「身のほど」をわきまえさせるためのもの、つまり「あなたの能力は全体から見るとこの程度ですよ」という指標である。そして政府の狙い通り、偏差値によって自分のレベルを上から規定された若者たち(1950年代以降に生まれた人)の多くは、おのずと自分の限界を意識して、それ以上の大志やや気概を持たなくなってしまった。 6.本田技研工業を創業した本田宗一郎さんは、従業員わずか25人の小さな町工場の時に「世界のホンダを目指す」と朝礼でリンゴ箱の上から演説していた。その後、本田さんは有言実行でホンダをグローバル企業に育て上げた。これは偏差値(=分際、分限、身のほど)を知らず、大志を持って、日本人本来の傑出した能力を最大限に発揮したからできたことである。 7.大前氏も自分の偏差値など知らない。自分の能力は無限だと思って頑張り、MIT(マサチューセッツ工科大学)に留学して、トップで卒業した。その後、世界中から頭の良い人材が集まっているマッキンゼーに入社した後も、自分が一番優秀だと思って頑張り、本社の取締役、そして常務会メンバーにまでなった。それ以降の偏差値世代で、海外のグローバル企業で本社の取締役に就いた日本人は、1人もいない。 8.偏差値教育の弊害は2つある。1つは自分の分際、分限、身のほどを自分で決めてしまい、大志や気概がなくなったこと。もう1つは、高い偏差値を取ると、その後、努力しなくなること。中学・高校という人生の極めて限られた時点で取った数値なのに、白分は優秀だと思い込んでしまい、そこから先は勉強しなくなる人が非常に多い(特に官僚や銀行、大企業の幹部に多く見られ、そういう官僚や幹部の間違った判断で犠牲になる人は多い)。 9.世の中がこれほど急速に激しく変化している時代に、大学を出たらもう勉強しないというのは、実に恐ろしいことである。いま日本の企業で起きている「うつ・無気力」「疲弊・燃え尽き」「あきらめ」といったメンタルな問題も、偏差値教育の弊害である。 10.日本人がかつての大志や気概を取り戻して日本を再び元気になるためには、今すぐ偏差値教育をやめるべきである。そして、北欧のような21世紀型の教育に移行すべきである。先生は教師ではなく能力を引き出す伴走者、助言者として、集団教育ではなく個人教育的な要素を増やす。そうやって優秀な人材を発掘し、その児童・生徒が持っている最も将来有望な能力を伸ばしていく。 11.全国一律の指導要領で平均レベルを維持するような教育はやめる。そのような均質化教育は、百害あって一利なしである。落ちこぼれ差別といった反論が出てくるが、日本がこのまま、みんな一緒に疲弊・衰退していってもかまわない、と言うなら、それでもよい。だが、能力ある日本人を1人でも多く生み出して、世界で活躍させたいと望むなら、偏差値教育という旧弊を捨て去るしかない。 「大前研一著:稼ぐ力・・・仕事がなくなる時代の新しい働き方、小学館、2013年」の「第5章:求む!日本と日本企業を強くする新世代人」の「日本の大学が永遠に改革できない理由」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。 1.グローバル人材の養成に昔から取り組んでいる国の代表的な例はスイスである。スイスにはUBS、クレディ・スイス、ネスレ、ノバルティス、ロシュなど数多くのグローバル企業があるが、小国であるため、社員は一生の半分以上を海外で過ごさざるを得ない。終生スイスで暮らしたいなら、農民か役人になるしかない。それ以外の人々は海外に駐在し、20~30年は母国へ戻れない。そうした親の元で育った子供たちは、将来グローバルに活躍する姿をイメージして、全寮制の中学・高校で、必修である英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語をマスターしている。大学もスイスにこだわらずドイツやフランス、アメリカなど選択がフレキシビリティに富み、自分の目標に合わせて進学していく。 2.日本の大学にはそれができない理由は、入学時期がズレているという単純なことではなく、日本の大学の体質にある。既存の日本の大学では、改革しようとすれば従来のカリキュラムをがらりと変えなければならないので、教授会が現状維持に躍起となって反対する。改革にゴーサインが出たとしても、担当者には日本の大学の悪習慣に浸かった教授を選ぶことになる。そのような人物に、国際人を養成する新しいカリキュラムが設計できるはずもない。 3.考えられる可能性としては、企業連合が新たに大学を設立することである。人材不足の一番の被害者は企業である。一部の日本企業は日本人の採用と育成をあきらめて海外での採用に力を入れ始めている。スイスのように自分たちが必要な人材を育成する機関を創設することを真面目に取り組むべきである。東大の間の抜けた「秋入学導入」というニュースが大きく報道されるところに、この国の病の深さがある。東大がそれを断念するに至っても、それを喧伝していたマスコミは自分たちの報道を検証することもしない。 4.田中真紀子前文部科学相の大学新設「不認可」発言騒動は、日本の大学教育を考える上で恰好のケース・スタディだった。田中前大臣に振り回された文科省の官僚や大学関係者は「被害者」という見方も間違っている。田中前文科相の「大学設置の仕組みに問題がある」「大学の乱立に歯止めをかけて教育の質を向上させたい」という認識は正しい。 5.日本では「グローバル人材」の育成が急務である。国内の産業空洞化や景気低迷で、日本企業が生き残っていくためには新興国をはじめとする海外に打って出るしかない。その要員はグローバルに活躍できる人材でなければ役に立たないが、日本の大学は企業の求めに全く応えきれていない。 6.親たちの多くも、子供を公務員にしたがるような「内向き志向」だったが、最近は風向きが変わってきている。ベネッセが2012年夏、同社の教育情報サイト上で行なったアンケートによると、半数以上の保護者はグローバル化に対応して子供に積極的に海外に出てほしいと望み、約64%が子供を海外で学ばせる必要があると考えてい。 7.政府も、海外で活躍できる人材教育を模索している。その柱の一つが、世界の一流大学で認められている国際的な大学入学資格「国際バカロレア(IB)」を取得可能な学校の拡大だ。現在は国内にインターナショナル校など24校しかない国際バカロレア認定校を、今後5年以内に200校に増やすという。だが、驚くべきは、それを「日本語で」取得できるようにしようとしてい文科省は馬鹿げている。 8.国際バカロレアは、現地校の卒業生に国際的に通用する大学入学資格を付与する仕組みで、スイスのジュネーブに本部を置く財団法人「国際バカロレア機構」が定める教育課程を修了すれば取得できる。国際バカロレア資格を取得すれば、もちろん日本の大学も受験できるし、初等教育プログラムや中等教育プログラムを修了した時点で、世界142か国に約3470校ある認定校なら、どこにでも進学できる。問題は、授業料が高いことで、年間200万円前後かかる。 9.大前氏が学長を務めているBBT大学・大学院のように、サイバーで遠隔授業を行なえば、将来的には授業料は劇的に下げられる。サイバーならスイスなど海外の学校の授業を日本で受けることもできるので、国際バカロレア資格までたどり着ける。 10.最も重要な問題は、文部科学省が「全国一律」で指導要領を定め、カリキュラムを作り、教科書を検定していることである。教育は親と先生が自分たちの思うようにやるべきであり、もし親がその学校が嫌だったら、他の学校にいつでも自由に移れるようにすればよいのである。スポーツや音楽の上達と同じく、学問に関してもあるレベル以上はすべてテーラーメイドでやっていく覚悟が必要だ。画一的に教えられる範囲では、国際的な競争力につながる人材は出てこない。

2013年9月7日土曜日

婚外子

よくたどり寄せ読みをするのだが、
アグネスチャン『この道は丘へと続く』(共同通信社)から 上野千鶴子『不惑のフェミニズム』を読んだ。
本来なら「フェミニズム」とか「ジェンダー」とか、横文字系が苦手な私。アグネスチャンがなかったらたぶん読みもしなかったであろう本。 今まで上野千鶴子といえば『家父長制と資本制』
素晴らしい理論、正論、そうよくぞ書いてくれた!
でもさ、じゃ、だからってどうなの?現実は?
なんか高みの見物、上から目線で、理屈としては受け入れられても、
ご本人に関してはなんだかなぁ、って感じであった。→強いて表現するなら、異星人にしか見えなかった。
でも、『不惑のフェミニズム』でその偏見(?)がいっぺんに吹き飛んだ。
いやぁ、すごい人ですわ。ちょっと、「同じ人間なんだなぁ」という思いに変わりました。→変な言い方なのですが、これしか表現のしようがない。

1985年に国連女性差別撤廃条約が国会で批准されたこと、憲法24条(押し付けたアメリカにはないらしい) >どれだけの人が認識しているのだろう。

『資源小国シンガポールにとっては、テクノロジーと人材だけが「資源」
リー・クワンユー首相も、高学歴の女が低学歴の男と、学歴にこだわらずに結婚するようにすすめたりはしない。Hypergamy is OK.-上昇婚は、社会の階層秩序と家父長制的な結婚制度を維持するには重要だからだ。その代わり、首相は、高学歴のシングル女性に「角栄のように」富も権力もある男の愛人となって「未婚の母」になりなさい、とすすめる。このメッセージはフェミニストにとってすこぶるアンビヴァレントだ。(中略)「未婚の母」のすすめは、高学歴で自立した女性の単身世帯を生む。これは「夫はいらないが子どもはほしい」という家父長制をきらう女性たちの自立欲求にうまくマッチするだけでなく、父親になる男たちから育児責任をなくす。男たちにとってこんないいことはない。首相の発言の中には、子育てに男女両親の責任があるという認識が抜け落ちている。だがフェミニストは同時にシングルマザー・ファミリーが安心して子供を育てられる社会を求めてきたものだ。首相の発言は、皮肉なことにそのフェミニストの闘いに支持を与えてもいる。あれやこれやで、どの立場に立つことが反動的なのかそうでないのか、彼女らの議論は錯綜したものになった。』

「未婚の母」でなくても自由に生きたければ単身世帯になっちゃったりはする。

最後に一言、 権威主義はダメとおっしゃられていますが、「上野千鶴子」そのものが権威ではありませんか!
でも、それだけのものを書くのだから当然とは思いますが、、、

彼らが最初共産主義者を攻撃したとき

ナチ党が共産主義を攻撃したとき、私は自分が多少不安だったが、共産主義者でなかったから何もしなかった

ついでナチ党は社会主義者を攻撃した。私は前よりも不安だったが、社会主義者ではなかったから何もしなかった

ついで学校が、新聞が、ユダヤ人等々が攻撃された。私はずっと不安だったが、まだ何もしなかった

ナチ党はついに教会を攻撃した。私は牧師だったから行動した―しかし、それは遅すぎた
<マルティン・ニーメラー>

(直訳に近いバージョン)
ナチの連中が共産主義者達を連れて行った時、 私は黙っていた、 私は共産主義者ではなかったから。

彼らが社会民主主義者達を拘留した時、 私は黙っていた、 私は社会民主主義ではなかったから。

彼らが労働組合員達を連れて行った時、 私は黙っていた、 私は労働組合員ではなかったから。

彼らがユダヤ人達を連れて行った時、 私は黙っていた、 私はユダヤ人などではなかったから。

そして、彼らが私を連れ去った時、 私のために抗議してくれる者は、 誰一人残っていなかった。

2013年8月31日土曜日

増税を目前にして

正直、国会議員削減か、手当カットでも行えばいいのにと思ってしまう。まず総理の給与カットを行いましょう。 日本経営を行ってる議員や政治家たちが、まず責任をとるべき問題なのに、庶民にツケを回しているわけだ。 経営責任を取らない役員のいる会社と同じようなもん。

こんな意見もあるのだと、参考に。「投機的取引、博打抑制」には思わずうなずいてしまったけど。 不労で食ってる地主、株主はそりゃ嫌がるよね。

「消費税をやめれば日本は復活します」 ビル・トッテン アシスト会長の「消費増税以外の道」 秋山 知子

ビル・トッテン 株式会社アシスト代表取締役会長。1941年米カリフォルニア州生まれ。72年に日本初のパッケージ・ソフトウエア販売会社アシストを設立。著書に『課税による略奪が日本経済を殺した 「20年デフレ」の真犯人がついにわかった!』(ヒカルランド)、『アングロサクソン資本主義の正体 ―「100%マネー」で日本経済は復活する』(東洋経済新報社)、『日本は悪くない』(ごま書房)など多数。 2013年4月12日(金)

トッテンさんは以前から、日本のデフレの元凶はバブル崩壊でもリーマンショックでも少子高齢化でもない、消費税にあるとおっしゃっています。近著の『課税による略奪が日本経済を殺した 「20年デフレ」の真犯人がついにわかった!』(ヒカルランド)では、消費増税という選択肢を取らずに日本経済を復活させるためのソリューションを提唱されていますね。  ただ現在予定されている消費増税は、2%のインフレを達成した後に税率を上げるわけで、そこが過去2回(1989年消費税導入、97年税率引き上げ)とは違うと思いますが。 トッテン:2%のインフレになったら消費税を上げるとは、日本政府は何をしたいんですか? 経済を活性化して、景気が良くなったらまた悪化させたいの? 消費税というのは、消費に対する罰税でしょ。 日本経済の約7割は消費です。そして投資が28%。でもその投資も大半が消費需要に応えるための先行投資。つまり日本経済の約9割は消費で動いています。  消費増税した場合、GDP(国内総生産)の9割を支える消費はどれだけの影響を受けるでしょうか? 2%のインフレに加えて消費税率が5%から10%に上がる。さらにこの3カ月で円が2割安くなった。日本はエネルギーのほぼ100%、カロリー(食料)の60%を輸入しなくてはいけないから、エネルギーが20%、食料は12%高くなります。これではいくら論理的に考えても、経済は良くならない。そういうことで経済が良くなると考えるのは「ドアホ」でしょ。 しかし、これまで何年も円高デフレが続いて、GDPが停滞し続けていましたが、円安になった時期は多少なりとも株価が上がって景気も上向きましたが。 トッテン:日本国民で、株から収入を上げている人はどれぐらいいますか。大部分の庶民は株を買ってないでしょう。  日本の場合、純輸出はGDPの1%に過ぎない。円安にすると1%分の経済は良くなる。でも輸入している60%のカロリー、100%のエネルギーは高くなる。「経済が良くなる」などと言わずに、「日本経済団体連合会の輸出企業と富裕層の減税のために、一般庶民の消費税を上げなくてはならない」と言うのなら分かります。 物価が上がるのに合わせて、賃金も上げてくださいという企業への施策も検討されていますが。 トッテン:でもロイターの企業調査では、「賃上げに前向き」と回答した企業はわずか1割だったから、その施策はあまり期待できません。 土地や金融取引に課税して投機を抑制すべし トッテンさんは、消費税を廃止し、その代わりに土地に対する「地価税」、通貨や株式などの取引に対する金融取引税などの導入を主張されています。  また、消費税であれば逆進性(収入の低い層ほど税負担率が高くなる)をなくすために、収入に応じて税率を0%から200%まで段階的に変える累進消費税を提案されていますね。  まず、地価税は固定資産税とは違うんですか。 トッテン:違います。例えば、この会社が入っているビルのオーナーは、建物については固定資産税を払っているが、土地については払っていない。 土地については、地主が固定資産税を払っていると思いますが。 トッテン:でもそれは地価に対して微々たる金額です。土地の値段は、近くに地下鉄の駅ができたとか、百貨店ができたとか、地主の努力に全く関係なく上がっていく。働いている人からは所得税を取り、企業からは法人税を取るのだから、努力せずに土地の値段が上がった地主にもそれに見合う税金を課するという考え方です。地価をつり上げると税金も高くなるので投機的取引も抑制できます。 もう1つは、外国為替取引や株式取引など金融取引への課税ですね。 トッテン:昨年調べたのですが、1日に売買されている円は約90兆円です。1年間に換算すると日本のGDPの数10倍、日本の貿易額の200倍以上。何のために、誰が円を売買してますか。明らかに貿易のためではない。要はバクチ(博打)です。  例えば2011年の8月から11月までに、日本政府は円高を抑止しようと12兆円もの介入をしました。でも相手は1日に90兆円の売買です。全く意味がない。  今、消費税率を5%から10%に上げることで政府が見込んでいる税収の増加は13.5兆円です。その一方で、円高の抑制に全く効果のない介入に12兆円を使っている。だから、そういう博打には加勢しないで、税金を取ればいいのです。ドイツやフランスなどEUの11カ国は、債券や株の取引に課税する「トービン税」の導入を既に決めています。 為替取引に課税したら、投機的な取引が抑えられますか。 トッテン:投機的な売買をしようとしても利益がなくなるということです。彼らはほんのわずかな値動きで売買している。そこで、例えば取引額の0.5%の税金を取れば、彼らにとっては利益がなくなる。それでも為替相場で振り回されるよりはよっぽどましでしょう。博打がなくなったら、円の値段は日本の経済の力に見合う水準に落ち着いてくるでしょう。  投機的取引をする博打の人たちは不安定な環境のほうがいい。しかし真面目な経営者にとっては、経営環境は安定しているほうがいいでしょう。  例えば、NAFTA(北米自由貿易協定)ができてから米国の製造業はどんどん人件費が安いメキシコに行った。その次にはメキシコよりも安く作れる中国が伸びてきたので、どんどん中国に先行投資して工場を作った。でも中国の賃金が高くなったからまたメキシコに切り替えている。先行投資は10年、20年しないとペイしません。短い間に、条件の変動で方針を次々切り替えざるを得ないのは、経営者にとって情けないことです。  政府は、通貨売買という博打に対抗するために12兆円を無駄にするけど、原発事故で故郷を追われた何万人もの福島の人にはお金を使わない。一方で、タイに進出して洪水に遭った企業とタイ人の従業員にはすごく補償してあげている。きっと政府はできるだけ日本の空洞化を進めたいんでしょうね。 円安になっても国内雇用は増えない 円安が定着したら、国内に雇用が戻ってくる可能性はありますね。日本で作って輸出できるぐらいの円安になれば。 トッテン:日本人の賃金がそれだけ下がればですね。でも、もし僕だったら海外に作った工場を、円安になったからといって日本には戻しません。その円安は博打が決めているから、いつどうなるか分からない。自分の会社の経営を博打の気まぐれに任せるなんて、経営者失格でしょ。  僕は何度も本に書きましたけど、日本国内の失業者300万人全員を時給850円で政府が雇ったとしても、年にたった5兆円しかかからないんです。政府が「公共事業」で失業者を雇ったらいい。 公務員が300万人増ですか…。とはいえ現状、日本は公務員の比率が世界的に見ても少ないんですね。5%ぐらいですか。 トッテン:OECD(経済協力開発機構)諸国の中では圧倒的に少ない。アメリカの公務員で一番多いのは軍人ですけどね。 別に公務員でもいいですが、若い人の雇用を増やさないと。家の近くの都立高校に行っている人に聞いたら、そこの卒業後の進路で一番多いのはフリーターだというんです。ちょっとがっくりしてしまって。これまでのように円高デフレがずっと続いていくよりは、円安で株価が上がって雇用も増えていく、というほうに期待したいのですが。 トッテン:しかし、コンピューターやロボットは進化しているし、経営者はやはり人件費を減らしたい。日本の高度成長期には、社会のため国民のために働いた経営者がたくさんいたけど、今の経営者は利益のためだけに働いているから、雇用が良くなることはあり得ないと思います。  あの頃の経営者は、自分の会社が国の仕組みの1つであることを分かっていました。国の協力がなかったら会社を作れないから、まず国の役に立とうとしたでしょう。3月15日に、確定申告で一番税金をたくさん払った人はそれを自慢していましたよ。今、税金をたくさん払ったことを自慢する経営者はいますか。 いないでしょうね。株主が許さないでしょう。 トッテン:だからこの先、企業が雇用を大きく増やすことはあり得ない。  これからの雇用で一番有望なのは農業分野だと思います。日本で専業農家はたった180万人で、そのうち6割は65歳以上です。農地はたくさん余っている。だから300万人の失業者を政府が雇って、農業をやってもらうといい。土地の生産性が高い有機農業がいいでしょう。 有機農業については、トッテンさんは以前から京都のご自宅で家庭菜園をされていますし、社員にも勧められていますね。 トッテン:自宅では野菜、果物、蜂蜜を自給していて、1週間前からは6羽飼っている鶏から卵も取れるようになりました。8年前は農業の素人だったけど、昨年は家で収穫した果物を毎日食べました。  現代人の仕事の大半はいずれコンピューターやロボットが代替するようになるから、人間に残る仕事は農業になっていくと思います。 TPPも税制も、国民的議論が必要 消費税だけでなく、近著ではTPP(環太平洋経済連携協定)の問題点も指摘されています。TPPはもちろん農業だけの話ではないですが、例えばTPP参加をきっかけに国内農業の競争力を高めようという機運もありますが。 トッテン:TPPの最大の問題は、あまりに多くの重要なことが明らかにされていないことです。例えば、TPPで関税はゼロになります。ところがアメリカは以前から自国の農業にものすごい額の補助金を払っている。それは全く減らさずに、他国には関税をやめなさいと言っている。農産物のダンピングを許す協定なのです。 日本のスタンスとしては、日本と海外の農産物にある程度価格差があるのは前提として、でも日本のものは品質がいいからそこでさらに企業努力してコストを下げればTPPでも対等に戦える、というものに思えますが。 トッテン:それはそうかもしれません。でも、大規模化・機械化して農薬を大量に使って、短期で生産性を上げる産業的な農業は、長期的には土地の生産性を殺していくんです。  インターネットでいくらでも調べられるけど、アメリカやオーストラリア、ロシア、インドといった大規模な農産物の輸出国はこの10年以上、徐々に輸出高が減ってきている。温暖化と水不足もあるけど、土地の生産性がどんどん悪くなってきているからです。もともと規模の小さい日本の農業がさらに淘汰されたところへ、ほかの国が日本に食料を輸出できなくなったらどうなりますか? 食料輸入ができなくなったら、大変なことになりますね。 トッテン:日本の農業や農家よりも、日本の食べ物を欲しい人を保護するべきだと思いますね。  もう1つ、TPPの要求の1つに、食品のパッケージに遺伝子組み換えの表示をする必要はないという議論があるのは知ってるでしょ。遺伝子組み換えを好きな人はあまりいないのに、その内容を消費者から隠すと言っている。ただ、アメリカの中央政府は表示の必要はないとしているけど、州政府は必ずしもそうじゃない。昨年11月にカリフォルニア州は遺伝子組み換え表示を義務づける法律を作ろうとしました。反対する企業が巨額の政治献金を投入して法案を潰しましたが。 TPPでは、表示義務が非関税障壁に当たるという議論ですね。 トッテン:遺伝子組み換え表示が自分たちの利益の邪魔をすると。進出先の国の政策によって不利益を被るという企業は、ISD条項を利用して国際機関に仲裁裁判を起こすことができます。  また、日本政府はTPPに参加したらGDPは3兆円伸びるという試算をしていますね。だけどTPP参加国への日本からの輸出額はこの20年間ずっと減少しています。なのに、今この協定に入ったらどうしてそれだけ伸びるか、その数字はどこから来ているか説明がされていない。  さらに経団連はTPP参加を後押ししている。経団連は輸出企業が多いのに、この20年間日本からの輸出が減っているアメリカ市場や、輸出先市場としては小さいブルネイやチリやペルーやニュージーランドなどをなぜ選ぶのかということです。しかも変な条件つきで。ここが理解できないところですね。  今TPPについて国民の間に何も議論がないでしょう。トービン税にしても、ほかの国はできるのにどうして日本はできない?  地価税や累進消費税、金融取引税は、庶民はいいけど金持ちは嫌がる。だから実現は難しいのかもしれません。でも理想が分かっていたらそこへ向かうために何をやるべきかの議論ができるでしょう。そして、なぜできないかの理由を政府は明確にすべきと思います。

2013年8月30日金曜日

魚の目

小学生以来の魚の目ができた。 7月から「ん?」と思っていたのだか、 ここ2,3日で歩くたびに「んんん?」 というほどに成長してきた。 反対にはタコもできている。 これも痛い。 「なんでだ?」 というわけで、皮膚科に行くことを決意。

ご近所の皮膚科はあまり好きではない。 ○○マツコみたいな、そして非常にヒステリックな先生。 自分もこんな物言いをしていないかな、気をつけないと。

そして次は、休憩時間、サーフボード抱えてビーチで波乗りやってるのでは?と思えるほど、 こんがり日焼けした痩せた威勢のいい先生。 これもなんかなぁ~

で、もう一軒。 最近できた新しいところ、先生の写真を見ると厳めしい経歴に「いかにも才媛」 「キレイに治すことをモットーに」で、美容外科も兼ねている。 よしこれだ!

できれば、 「痛くないように治すことをモットーに」 だともっといいのだが...

2013年7月10日水曜日

「ニッポンは“使えない人”だらけ?」 過熱するグローバル人材狂想曲

「英語ができない」と言い訳にして見過ごす真に必要なもの

 「スーパー・グローバル・ハイスクール」なるものが、できるらしい。かなり乱暴に直訳すると、「超世界的高校」ってことになるのだろうか?
 かっこわる……。いやいや、申し訳ない。だが、見た途端にそう思ってしまったのだから仕方がない。
 スーパー・グローバル・ハイスクール構想を打ち出したのは、政府の「教育再生実行会議」(座長・鎌田薫早稲田大総長)。
 「徹底した国際化を断行し、世界に伍(ご)して競う大学の教育環境をつくる」ことを目指し、外国語教育に熱心な高校を「スーパー・グローバル・ハイスクール」(仮称)に指定。小学校での英語の導入などを提案し、世界で活躍できる人材の輩出を目指して「今後10 年で世界大学トップ100に10校以上」との目標も定めた。
 提言書によれば、「スーパー・グローバル・ハイスクール」とは、
(1)英語教育を重視したカリキュラムを実施している
(2)英語を母国語とする教員を採用している
(3)海外留学に実績がある
などの条件を見たしている高校で、政府が財政的に支援することが検討されるのだという。

流行語と化したグローバル人材

右を見ても、左を見ても、グローバル、グローバル。
 「グローバル人材の育成が欠かせない!」
 「グローバル人材を輩出する教育を徹底せよ!」
 「我が社では、グローバル人材を求めています!」
などなど。
 グローバル人材なる言葉は、今や流行語だ。
 ちょうと今から1 年半ほど前、「グローバル人材」についてコラムを書いた(関連記事:“グローバル人材”を渇望する企業の見当違い)。
 当時、この言葉を使うのは主に企業の経営者だった。かなり乱暴にまとめると、(1)英語が話せなければ仕事にならない(2)ライバルは国内だけでなく、中国、韓国など世界中にいると思え!(3)日本でしか通用しないような人は、もう要らない──の3つが、多くの大企業の経営者や人事部の採用担当の方々が、「グローバルな人材」について述べているコメントだった。
 で、今。「グローバル人材」という言葉が、会社から大学、大学から高校、さらには小学校へと波及している。
しかも、「グローバル人材の育成=英語力の強化」となっている。
 何かおかしい……。確かに、英語教育は見直した方がいい。何しろ「なんでニッポン人は、中学、高校と6年間も英語を習っているのに、英語が下手くそなんですか~?」と、苦言を呈したくなるくらい、日本の英語教育は使えない。
 だから、英語教育改革はやった方がいい。いや、むしろやるべき課題だ。
 でも、政府が進めようとしているのは、「グローバル人材がいない」、「グローバル人材の育成ができていない」という社会のニーズ、あるいは企業のニーズに応えるための英語教育改革である。
 「徹底した国際化を断行し、世界に伍(ご)して競う大学の教育環境をつくる」――という大名目の下に進められている。

「グローバル人材の育成=英語力の強化」なのか?

楽天やファーストリテイリングをはじめ、英語を社内の公用語にしたり、新卒採用の条件にTOEICのスコアで基準を設けたりしている会社も増えている。「キャリア官僚」の採用試験でも、2015年度(2016年度入省)からTOEFLなどの民間の英語試験を採り入れるとの報道もある。
 だが、いったいどれだけの企業がグローバル人材を、求めているんだ? そもそもグローバルな人材を育成するって、どういうことなのだろうか?
 少なくとも私には、「グローバル人材の育成=英語力の強化」とは思えない。そこで今回は、「グローバル人材の育成に必要なこと」について考えてみようと思う。
 まずは、経済産業省が行った「大学におけるグローバル人材育成のための指標調査」の結果から紹介する。この調査では、企業におけるグローバル人材の定義を次のように規定している。
(1) 現在の業務において他の国籍の人と意思疎通を行う必要がある
(2)意思疎通を英語で(あるいは母国語以外の言語で)行う必要がある
(3)ホワイトカラー職(※)の常用雇用者である
※ ここで「ホワイトカラー職」とは、管理的職業従事者、専門的・技術的職業従事者、事務従事者、販売従事者をさす。
 この定義に基づき、企業を対象にヒアリングとアンケート調査を行った(実施期間2012年2月、5000社に送付し、回答のあった841社が対象)。さらに、アンケート結果に基づき、独自の手法で企業全体の総常用雇用者数に占める、2017年度のグローバル人材率の平均値なるものを出している。
 その結果、2012年時点で、4.3%だったグローバル人材率は、2017年には8.7%と2倍近くに上昇。企業規模別には、「299人以下」の企業が5.6%から7.2%、「300人~1999人」の企業が6.9%から8.7%、「2000人以上」が11.0%から17.8%と、企業規模が大きいほどグローバル人材率が高く、5年後には全体的に高まる傾向にあった。
ちなみに、「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている英語力を、入社前に身に付けて欲しい」という企業に限ってみると、2000人以上の大企業で2012年時には26.1%だったものが、2017年には42.9%と半数近くにまで上昇するとの結果が示されている。
 つまり、「大企業に入るには、英語力を高めておくことは避けては通れない」とも受け取れる内容だ。
 だが、その一方で、グローバル時代における新卒社員に求められる能力はというと、上位3位を、「主体性」「規律性」「好奇心・チャレンジ精神」が占めた。
 「2000人以上」の企業に限ってみても、「主体性」が91.3%でトップ。次いで、「好奇心・チャレンジ精神」(90.1%)、「規律性」(81.3%)となり、「TOEIC730点以上相当」を必要としたのは、わずか27.3%。アンケートに提示した17の能力のうち最下位だったのである。

自由意見でも見られた企業の冷静な姿勢

ヒアリング結果でも、必ずしも英語力を求めていない意見が見られた(以下、抜粋)。
・新卒採用の場合、英語スキル(スコア)を重視しているのではなく、前向きな姿勢があるか、吸収力があるか、打たれ強いか等の資質を重視する。(証券D社)
・語学力が高いことは良いことだが、それ以上に人物をみるようにしている。(消費財A社)
・TOEIC が高得点だからといってビジネスシーンで英語が使えるとは限らない。ビジネスで使う英語力は入社後に研修やOJT で磨くことになる。(電気機器F社)
 正直、この結果をみてホッとした。私自身、英語よりも「伝える中身」を持つことの方が重要だと思っていたし、企業の方たちと話すと、海外で仕事経験のある人ほど、「英語ができるに越したことはないが、できるからといってグローバル人材にはなり得ない」と考えている人が多い、という印象を持っていからだ。
 と、こういうことを書くと、すぐに、
 「何、分かったようなこと言ってるんだ。英語ができないことには、海外で仕事なんかできないぞ!」
 「コミュニケーションを取れなきゃ、信頼だってされない」
 「スピードが要求される今の世の中で、英語ができないことで失うものの大きさが分かってない!」
 などと、口をとがらせる人たちがいる。
 なので、何度も書くが、英語ができて悪いことなど1つもない。海外で仕事をするのに英語はできた方ほうが楽だし、いろいろな意味で、最初のハードルが下がる。だが、昨今の英語至上主義は、ちょっと異常だ。
 大反発をくらうこと覚悟で、意地悪な言い方をすると、「それって仕事ができないことを、ただただ英語ができないからと言い訳にしているだけじゃないんですか?」などと言いたくなるほど、今のグローバル人材育成の流れは、英語力が特化されて、短絡的になっていないかと思うのである。
米メジャーリーグで活躍した野茂英雄さんは渡米する際に、「ところで野茂さんは英語が話せるんですか? メジャーリーグのベンチで英語が話せないとイジメに遭うかもしれませんよ」と記者から質問された。
 それに対して彼は「僕は英語を覚えるためにアメリカに行くわけじゃない。野球をやりに行くんです」と答えた。
 そして渡米後、アメリカ人にとって最も有名な日本人になるほど、彼は大活躍した。
 世界で使えない人は、日本でも使いものにならない。「日本でしか通用しない人」と思われている人は、実際のところ、日本でも通用していないんじゃないだろうか? 
 もし、ホントにグローバル人材が日本にいないとするならば、日本中が使えない人たちであふれているか、もしくは、英語がたまたまできないというだけで、グローバル人材という枠からはじき出されてしまっているか、そのどちらかだ。

本当に日本で働く以上に求められることとは?

ただ、1つだけ日本で働く以上に、繰り返すが、「日本で働く以上に」、必要なものがあるとするならば、「たった1人でも、完全なるアウェーでも、どうにかしてその場で、限られた資源の中でベストと思える答えを探り出す力」。自律性(autonomy)だ。
 自律性は、「自分の行動や考え方を自己決定できているという感覚」で、自分を信じることで、目の前にあってできることを1つひとつ進め、自分の強みを進化させる動機付け要因となる。自分を信じる力は、何ごとにも優るエネルギーを引き出す。
 誰も助けてくれない。たった1人。その状況でも、「これでよし」と自分の行動を決められる「自律性」なくして、世界では太刀打ちできない。
 以前、ある雑誌で別の連載をやっていた時に、企業のトップや新しいことを成し遂げた方たちをインタビューさせていただいたのだが、そのほとんどの方たちが、高い自律性を持っていた。
 特に、「こりゃすごい!」と感動したのが、美容家のたかの友梨さんだった。
 たかのさんは、理容師の資格を得て、化粧品会社に勤めていたのだが、ある時に「フランスにはエステというものがあって、肌がきれいなる」と雑誌に書いてあるのを見た。当時、にきびに悩んでいたたかのさんは、友人と「フランスに行ってきれいになろう!」を合言葉に、日本を発った。
 ところが、パリに着くと友人が妊娠していることが分かり、すぐに帰ってしまった。フランス語はおろか英語も分からないのに、見知らぬ土地で一人取り残された。でも、どうにかしてエステというものを見てみたい。
 そこで、「お土産屋さんに行けば、日本人がいるかもしれない」と考え、毎日、お土産屋さんに通ったそうだ。
「日本人らしき人と見つけると、“エステってどこにありますか?”ってひたすら話しかけたの。でも、みんな知らなくて、『見たことも聞いたことも食ったこともない』って言われてしまって。でも、おカネもないし、それでもどうにかならないかって食い下がった。そしたら、美容ツアーを案内したことがある通訳を知っている、って人を見つけたの。で、紹介してもらって、その通訳を訪ねていったら、その人がパリの美容協会の会長さんと面識があるからと言って、会わせてくれた。そうしたら今度はその会長さんが、美顔器の会社を経営するサロンがあるからと連れて行ってくれたんです」
 「せっかくたどり着いたので、どうにか潜り込こんでエステの技術を盗んでやろうと思ってね(笑)。『掃除でもなんでもさせてください』っていって頼みこんだ。私は日本で理容師をやったり、ネイルの技術なんかも習得したりしていたので、サロンが忙しそうな時にちょっと手伝うなんてことも積極的にやったの。そしたら、とても喜んでくれてね。それで自分の持っている技術を最大限に生かして、必死に勉強もして、何とか溶け込んで。それで技術を教えてもらったんです」
 何か困難にぶつかった時も、「自分には無理!」と最初からあきらめるのではなく、自分の頭で考え、自分の決断、感覚を信じて踏み出す力。不完全な状態にあるという自覚を持ちながらも、その時にベストと思える答えを探り出す。ベストでなくとも、ベターでも構わない。いずれにしても、「これでよし!」とその時に思える行動を取れる覚悟。これこそが、自律性であり、グローバル人材に求められる力だと思う。

英語至上主義者たちが省いているもの

それは、既成の知識や常識の網から逃れる営みでもある。
 今の日本の英語至上主義には殺気すら感じるので、何度も繰り返すが、英語は話せた方がいい。日本のこれまでの英語教育は、見直した方がいい。だが、「グローバル人材の育成=英語教育の強化」じゃない。
 グローバル人材の育成はすぐに役立つスキルや技術を求めることでもなければ、TOEICだの、TOEFLだの、既存の箱の中で評価するものでもない。どうすれば、考える力をつけられるのか? どうすれば、自律性を高められるのか? どうすれば、異国の文化、価値観が異なる集団の中でも、認められる日本人としてのアイデンティティーを育てていけばいいのか?
 そのことを教育する側も、とことん考えねばならない。その作業を「グローバル人材の育成が急務だ!」と叫んでいる人たちは、省いている。そう思えてならないのである。
 ちなみに、私はアメリカでミドルスクールに通っている時に日常会話は問題なく話せるようになっていたにもかかわらず、長めの本を読んで理解することができなかった。
 で、読書をする授業で1人ひとり感想を披露しなくてはいけなくて、みんなの前で“貝”になったことがあった。その時の先生が、「この本を読んで、あなたが今、デキそうなことを私に見せて」と言った。で、私はその本が、歌手の人(誰だったのか、覚えていません)の伝記ということだけは理解できていたので、歌を歌った。
 当時(といっても、渡米する前)、日本ではアグネス・チャンが人気で、私はいつもプロマイドを持ち歩いていたので、それをみんなに見せて、アグネス・チャンのモノマネで歌った。心臓が飛び出そうなほど、恥ずかしかった。ところが、歌い終わった時、みんなが拍手してくれて、笑ってくれて、先生が「Good job!」と言ってくれた。
 感想発表の場を、アグネス・チャンの歌で乗り切るなんて、あり得ない話かもしれない。でも、とても、うれしかった。「Good job!」って一言に救われた。それから私は、英語の本を読む努力を必死にした。もっとちゃんと読みたいと思ったから。ちゃんと感想を言いたいと思ったから。
 自律性、すなわち「自分の行動を信じる力」は、他者の寛容な受け止めで養われる。今の日本に、一番欠けているのって、この寛容さなのかもしれない。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20130610/249390/?P=5&nextArw

2013年6月11日火曜日

2013年5月20日月曜日

京都で最古の安南国書簡発見

京都で最古の安南国書簡発見 16世紀末、通商求める


 京都市内の古書店で見つかった最古の安南国書簡(九州国立博物館提供)
 ベトナム中部を支配した安南国から日本に通商を求めた1591年の書簡が京都市内の古書店で見つかり、日本宛ての安南国書簡では最古と判明した。九州国立博物館(九博、福岡県太宰府市)が19日までに明らかにした。九博で開催中の「大ベトナム展」で初公開している。
 九博によると、書簡は漢字で書かれ、安南国の「福義候阮」という人物から「日本国国王」に象牙などを贈り、日本からは剣や甲冑が贈られた経緯を記している。福義候阮は安南国の支配階級で、日本国国王は豊臣秀吉が想定されるという。
 これまでの最古の書簡は、安南国の支配者「阮ホアン」が徳川家康に宛てた1601年のもの。
http://www.47news.jp/CN/201305/CN2013051901001619.html

2013年2月19日火曜日

お遊戯会デビュー

もうすぐ保育園のお遊戯会だ。念入りな準備には親も参加。
そして協力日。昼間子供を迎えに行かなければならない。
子供を保育園に入れてしまえさえすれば、大丈夫というわけにはいかない。
行事が結構あって、昼間迎えに行かなければいけないことも多い。

去年はなにもしなかったから、
今年は行かざるを得ない。

保育園の行事は数か月前に決まっていることが多く、だから早く仕事の予定が分かると、ドタキャンしなくて済む。

保育園も結構大変だ。

でも、もっと大変なのが小1の壁、時短も小学校に入るとなくなる。
悩み多き子育てかな。

2013年2月9日土曜日

医薬分業、デフレ、日本の冬

最近、思ったこと。

大阪では医薬分業があまり行われてない。その原因は夜診にあるとか。言われてみればそうだ。病院は6時半になったら、みな閉まるものだと思っていたが、こちらでは午後にたっぷり休み時間をとって夕方から再開という形を取っているところが多い。確かに、朝具合悪くても、夕方過ぎて悪くなることもあるから、夜診はあると重宝なのかもしれない。医薬分業を行わないいことで、患者の払う医療費だって2重払いしなくて済む。医者と処方薬局と合わせるとどうしても高くなってしまうのだ。ただし、医薬分業をしないことで、旧態依然といったこともありそうだ。いまどき、カルテは皆、PC管理が普通なのに、昔懐かしの手書きで、紙が一杯の病院もある。
ところでPC管理が普通になってから日本語入力するケースが多くなった気がする。昔はカルテといえばドイツ語で患者に分からないように達筆で書かれたものだったが、いまどきそんなの見ない。日本語で皆入力してるから患者から丸見え、漢方の処方箋くらいだったら、こちらでも分かるから、ついうっかり、口出ししてしまうこともある。

テレビを見てるとやたらデフレ脱却が叫ばれるけど、日本は昔から生糸をはじめ、安く物を売って世界の経済を席巻してきた。その癖が抜けきれないのか、今は中国をはじめとする中興国と競争で安く売ろうとするからデフレになってしまうのではないか。反対に中国ではインフレになっている。ほとんどの欧米諸国がブランドや技術を如何に高く売るか腐心しているのに、日本はいまだに昔からの癖が抜けていない。中国人に全員に1本10円のタオルを買ってもらえば100億儲かる式の考えで、せっせと安いタオルを作っているようなものである。大前さんのクオリティ国家じゃないけど、ブランドや技術を如何に高く売るかの戦略も必要だろう。トヨタだって、ベンツやBMWに負けてるようじゃダメなのだ。デフレといえば藻谷さんのを思い出す。将来の方向までしっかり示してあってなかなか良書だったと記憶してる。

日本の冬は室内が寒い。暖房があってなきに等しい。最近の家は気密性もあるし、床暖房があるところも多いけど、それでも寒い。なんでこんなに寒いのか。もっとも凍え死ぬ寒さではないし、ホントに寒いのは1~2か月で後は、何とかしのげるから暖房設備が貧弱なのだろう。昔、御所では真冬であっても足袋を履かない習慣があって、和宮をみた大奥の女中がびっくりしたというから、すごいものだ。足って冷やした方が健康にいいのか?いやいや、そういう問題ではなかろう。
とにかく宮様ですら足袋を履かなかったというから、冬の寒さなんて、、、いやぁ、やっぱり寒いよ、しっかり防寒しないと風邪ひくと思ってしまう、今日この頃である。

2013年1月28日月曜日

週末仕事メール:月曜〆切

①ばたばた土日にあちこちメール&電話をする。NG
②月曜日に、なぜ急ぎになったのか、どうすればベストなのか、尋ねてから仕事する。GJ

自分で完結する仕事は怠惰を通り越して〆切という概念すらない癖に、
他からくるメールにはあたふた、あわてふためく自分。

メールを投げた方は、仕事終了&良い週末なのかしれませんが、投げられた方は、たまったもんじゃありませんね。今度からはぐっと我慢で②で落ち着きたいものです。







2013年1月25日金曜日

『なぜ日本は没落するのか』 森嶋通夫

1994年秋ごろから、「東北アジア共同体」を主張した人物である。

歴史の共通認識を持つことは非常に大事だ。
「大抵の日本人は歴史対話をする知識も持ち合わせていない」(笠原十九司)

「未来をひらく歴史 : 東アジア3国の近現代史 : 日本・中国・韓国=共同編集 / 日中韓3国共通歴史教材委員会編著 2005」

「未来をひらく歴史」は比較的早く出たもののようで、
最近はいろいろな共通歴史書が出ている。

領土や通貨問題など、「政治的イノベーション」を図るには必要だと思う。

だが、簡単にはいかないだろう。
そもそも、東北アジアには、EUのような共通点が全くない。
東北アジアは、EUのように、もともと皇帝、諸王たちが土地支配していて、EU諸国の血が混じっている為政者がいたのとはわけが違う。
「東北アジア共同体」とは、それこそヨーロッパとアフリカ諸国が共同体を作るのより難しいという認識をもたないと、無理だと思う。儒教、仏教、道教など、思想は共有しているかもしれないが、もとの為政者はまったく別個のものである。(桓武天皇の母方云々はさておく)

読んでいて、思ったこと。
日本人が株ではなく土地に投資するのにはそれなりの理由がある。
ロバート・キヨサキを見れば分かるようなもの。
サントリーだって上場していないけど、これが何を意味するか。

日本的風土を突き崩すのはそう簡単ではない。なぜならば「日本だから」である。

東条英機について、多くの人を殺戮した罪は重い。
しかし、東条を「無能」よばわりする前に、そんな為政者に国を任せていた森嶋氏も含む「日本人」全員が「無能」だったといわねばならない。竹やりで戦争に勝てると信じ、ティーン以下の精神年齢12歳であるといわれた日本人。後世の者は同じ轍を踏まないようにしたい。

2013年1月23日水曜日

関西敬語

敬語の活用をやっていると、「その日本語訳はどうなるの~」って質問が多い。

関西では「れる、られる」形が多用される気がする。

「~はる」なんて優雅な京阪系(?)敬語もあるけど、
「~してます」「何でです?」とかいわれても、
「です、ます」は丁寧であって、敬語じゃないから、
ぴんとこない場合もある。
それに何を標準とするかはさておき、非標準的な敬語が多い。

実は私の地元ではほとんど敬語なんて使わない。
うっかり、関西はあまり敬語を使わない、なんていっちゃったけど、
「私の地元ではほとんど使わない」が正しいのだ。

最近これが丁寧な言い方だと知ってびっくりしたものがある。

祖母がいっていた「(~して)おくんない:(~して)くれません?)」

何で記憶に残っているかというと、他県出身の母が、
「婆ーちゃんは、人にものを頼むのに、ぞんざいな言い方をする」と、
いつも怒っていたからだ。

そう、母は理解できていなかったのだ。(嗚呼)

誤解されていた祖母(涙)

関西敬語おそるべし。