2013年1月25日金曜日

『なぜ日本は没落するのか』 森嶋通夫

1994年秋ごろから、「東北アジア共同体」を主張した人物である。

歴史の共通認識を持つことは非常に大事だ。
「大抵の日本人は歴史対話をする知識も持ち合わせていない」(笠原十九司)

「未来をひらく歴史 : 東アジア3国の近現代史 : 日本・中国・韓国=共同編集 / 日中韓3国共通歴史教材委員会編著 2005」

「未来をひらく歴史」は比較的早く出たもののようで、
最近はいろいろな共通歴史書が出ている。

領土や通貨問題など、「政治的イノベーション」を図るには必要だと思う。

だが、簡単にはいかないだろう。
そもそも、東北アジアには、EUのような共通点が全くない。
東北アジアは、EUのように、もともと皇帝、諸王たちが土地支配していて、EU諸国の血が混じっている為政者がいたのとはわけが違う。
「東北アジア共同体」とは、それこそヨーロッパとアフリカ諸国が共同体を作るのより難しいという認識をもたないと、無理だと思う。儒教、仏教、道教など、思想は共有しているかもしれないが、もとの為政者はまったく別個のものである。(桓武天皇の母方云々はさておく)

読んでいて、思ったこと。
日本人が株ではなく土地に投資するのにはそれなりの理由がある。
ロバート・キヨサキを見れば分かるようなもの。
サントリーだって上場していないけど、これが何を意味するか。

日本的風土を突き崩すのはそう簡単ではない。なぜならば「日本だから」である。

東条英機について、多くの人を殺戮した罪は重い。
しかし、東条を「無能」よばわりする前に、そんな為政者に国を任せていた森嶋氏も含む「日本人」全員が「無能」だったといわねばならない。竹やりで戦争に勝てると信じ、ティーン以下の精神年齢12歳であるといわれた日本人。後世の者は同じ轍を踏まないようにしたい。

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