2015年10月21日水曜日
一日不読書口中生荊棘
一日不読書口中生荊棘
これは韓国の学校や図書館などでよく見かける文字です。
字を見ての通り「一日読書しないと口の中に棘が生える」という意味ですが、
学生にとっては勉学にいそしまずにはいられない、重い言葉だといえましょう。
この文字を書いた人物は、韓国独立のために身を捧げた安重根です。日本では、1909年、ハルピン駅で韓国総督府、初代統監の伊藤博文を暗殺した人物として有名です。
しかし、それと同時に、教育者としても多くの活躍をした人物です。
1905年、日露戦争の勝利の後、日本と韓国の間に乙巳条約が結ばれました。これは韓国を保護国とする条約ですが、事実上は韓国の外交権を剥奪するものでした。これに憤慨した安重根は国権回復を志し、学校を設立し、多くの啓蒙教育活動を行いました。
「一日不読書口中生荊棘」は伊藤博文を暗殺後、旅順の刑務所にて書かれた言葉ですが、この一言からは愛国義士であった安重根とともに偉大な教育者であった彼の一面をうかがわせます。
現在、ソウルの南山にはこれらの歴史的資料が展示してある安重根記念館があります。
また、安重根の肖像画は200ウォン切手の絵柄にもなっていて、韓国の日常生活ではとても身近な存在です。
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