2012年3月9日金曜日

独言

中学の頃、とても印象に残っているA先生の授業がある。
A先生はガリ版で刷った、
「るるるるるるるるるるる」
という詩を持ってきて、
この「るるるるるるるる」が何か、という問いから始めたのである。
答えはカエルの卵だった。
教科書には草野心平の「いぼ」が載っていたけど、あまりこちらは記憶にない。

後で、B先生はいった。「教科書にあることをきちんと教えない」

もちろん「いぼ」も読むことは読んだ。
だけど、未だ頭に残っているのは、この「るるるるるるる」だけだ。

時は移り…

私はC先生とペアを組んで教壇に立つことになった。
ところがこのC先生、全く教科書を進んでくれないのである。
学生に何度聞いても「復習してました」の答えばかり。
ある日、腑に落ちず、とうとうC先生に尋ねてみた。
「先生、授業で何をなさっているのでしょうか」
そして、読みの復習と民謡を教えた、というのである。

卒業した後まで残るのは、
その民謡であろう、と思った私は、
それ以上、何もいわなかった。

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